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須磨区白川台の耳鼻咽喉科クリニック  田坂耳鼻咽喉科です。

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田坂耳鼻咽喉科

耳の疾患Ear Disease

症状と病気

正常鼓膜

ここでは、耳の症状と病気の簡単な解説をしていますが、あくまで私見であり、病気には様々な側面があって、医師一人一人にはまた独自の経験と知識に裏打ちされた様々な対応や治療のやり方があります。かかりつけの先生とよく相談されることをお勧めいたします。


                                正常鼓膜です
                   (以下に述べる病気の写真と比較してください)

コラムの印 耳閉感

 耳掃除中に急に痛みもなく、ぽんと生じたとしたら、まずは耳垢を押し込んだことによる耳垢栓塞でしょう。 耳が突然聞こえにくくなって,同時に起こったとしたら突発性難聴の可能性が高い 風邪をひいていて鼻水が多いような時に飛行機に乗ったり、気圧の変化に身をさらしたときに急におこって持続すれば、耳と鼻やのどをつなぐ耳管がむくんでうまく働かない耳管狭窄症 難聴は感じないが突然起こって数日続いているとしたら低音障害型感音性難聴が考えられます。 難聴の程度が軽いときは、耳閉感のみですが、程度が重くなると、低音の耳鳴り(モーターのうなるような音とか、ボーとした音)を感じたり、会話音の中でも低いぼそぼそと話す言葉が聞きにくく感じられます。 急性中耳炎のごく初期にも生じますし、耳にボールが当たったり,叩かれたりして生じれば、鼓膜が破れている(外傷性鼓膜穿孔)こともよくあります。 鼓膜の奥に液体がたまる滲出性中耳炎ではこれが主症状ですが、10歳以上でなければ、すぐに慣れてしまい、訴えることはまれです。 成人はもちろんつまった感じが強く仕事に支障を来すほどですが成人の罹患頻度は少ない病気です 他にもいろんな病気が考えられますが、耳垢以外の疾患では、難聴などはなるべく早期の治療開始が必要です。 そのうち治るだろうとたかをくくらずに、なるべく早くに専門医に相談してください。

 耳痛

 耳の奥で鈍い痛みが数十分続くようならまず急性中耳炎が考えられます。 急性中耳炎の原因はほとんどの場合、風邪ですのでその場合はご注意を。 耳を引っ張ったり触ったりしたときに痛みが増強するようなら外耳道炎。 入り口付近なら耳せつ(おでき)で耳掃除の習慣のある方に多い。 つばを飲んだり、ものを食べたりしたときにずきんとくる耳痛はのどの痛みが舌咽神経に沿って耳に放散していることがよくあります。 幼児で耳が痛いというのでみてみると扁桃炎だったというのはよくあることです(放散痛)。 耳たぶ全体が赤く腫れているようなら耳介軟骨膜炎。 耳の入り口から耳たぶにかけて水疱が多くみられるときには耳帯状疱疹。 これは顔面神経麻痺やめまいを引き起こすハント症候群につながりますので要注意。 耳の周囲の痛みになると、耳の後ろは耳後部リンパ節炎が多く、耳の前が腫れているなら、耳下腺炎(おたふくかぜや反復性耳下腺炎)。 口を開けると痛みあけにくい場合は顎関節症。 耳の周囲がずきんと痛むときには、耳周囲の神経痛(大後頭神経、小後頭神経、大耳介神経)のこともあります。
耳が痛い=急性中耳炎ではありませんのでご注意を


 耳漏(耳だれ)

 最近の乳幼児には軟性耳垢といって、柔らかな黄色っぽい耳垢が増えています。 欧米では従来よりこれが大半でしたが、本邦も現在では、軟性耳垢の方が多くなっています。 若いお母さん方は、これをみて耳漏と勘違いされるケースも多いようですが、これは病気ではありません。 綿棒でとろうとすると、奥へ押し込む結果になりますので、耳の奥が見えないときには専門医でとってもらった方が無難でしょう。 毎日のように耳掃除をされている方が多いですが、外耳道の奥半分は骨の上にわずか0.1ミリの薄い皮膚がはっている骨部外耳道と呼ばれる部分で非常にデリケートです。 ここを綿棒(決して名称のように柔らかくはありません)のような堅いものでこすると、無数の傷ができます。 傷にはかさぶたができ、これがまたかゆみを誘いまた掃除(とても気持ちがいい)、そうして皮膚が損傷されるとさらっとした耳漏が出てきます(外耳道損傷)。 耳掃除はほどほどに。 続けていると、免疫力が落ちて、真菌性外耳炎(カビ)が生じることもあります。 これは痒みと痛みを伴い、難治性です。 慢性中耳炎で、鼓膜に穿孔がある場合、中耳炎を起こしても全く痛くありませんので、突然耳漏がでます。 慢性中耳炎の急性増悪です。 放置は難聴の進行につながりかねませんのですみやかな治療が必要です。 耳の入り口の湿疹(外耳湿疹)は非常に痒く、意識的あるいは乳幼児では無意識的に、かきむしっている例がよくあります。 乳児の場合は、手をガーゼの手袋で覆うような工夫も必要ですが、幼児以上では湿疹を早く治す必要があります。 急性中耳炎も乳幼児では痛みを訴えないことが多く、不機嫌や原因不明の熱発の後、突然耳漏が出ることもよくあります。
 
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病気概要

外耳疾患

 耳介湿疹・外耳道湿疹

耳介(耳たぶ)に写真のような白い皮膚の落屑を認め、多くはこれが外耳道入り口部にまで達しています。または、外耳道入り口のみにみられる外耳道湿疹(右の写真)も多くあります。
 一旦生じると痒みが激しく、無意識にも触って掻きむしります。早期に軟膏などで治癒させないと枕が血まみれになる事もあります。
耳介湿疹写真外耳道湿疹写真

 耳垢栓塞
                           乾性耳垢         軟性耳垢
両タイプの耳垢とも、たいてい耳掃除でとっているつもりで、実はどんどん中に押し込んでいったものです。湿型の場合は柔らかすぎて、道具ではつかめない、吸引しても取れないことが多い。この場合は耳垢をもっと柔らかくして、吸い取ったり洗い流したりするため、耳垢水を使います 乾性耳垢栓塞軟性耳垢栓塞


 外耳道異物

大人と子供では内容が異なります。幼児はビーズやビービー弾などのおもちゃ。成人は、綿棒の綿の部分や押し込んで固めた毛髪等です。写真は羽虫です。鼓膜の上を動いていました。 このような有生異物の場合は、光を当てると出て来ると思って懐中電灯を向ける方もおられるようですが、一般的に外耳道にはまり込んだ虫は回転できず、ばたばた動いて痛むばかり。体温程度の水を入れて窒息させ洗い流すのが正解です。夜釣りをしていて小さなカナブンが耳に飛び込み、鼓膜をガリガリやられて救急車で病院に駆けつけた方もおられました。ものすごい痛みと騒音でのたうちまわったそうです。 外耳道異物虫写真

 外耳道真菌症
患者さんに、「耳の中にカビがはえていますよ・・」とそっと伝えると、皆さん「えっカビですか?ショック・・」と絶句されます。 元々耳の入り口から三分の一は通常の皮膚で自浄作用があり、カビなどはえる余地はないのですが、それより奥、前述の骨部外耳道は薄い0.1ミリの皮膚がはっているだけですので、毎日毎日耳掃除に励んで、ご自分の耳を気持ちよく痛めつけられ傷つけられておられる方々や、慢性中耳炎でいつも耳が湿潤している方、慢性中耳炎の手術で広く骨を削開されておられる方などで、外耳道奥の局所免疫力が落ちている時には、普段悪さをしないカビが炎症を引き起こします。 カビの正式名称が真菌です。外耳道にはえる真菌の7〜8割はアスペルギルス属で、残りの大半はカンジダ属です。 症状は痛痒さと耳漏で、最初は他の菌との混合感染でわかりにくいのですが、経時的に正体を現してきます。  治療は臨機応変に臨まねばなりませんが、真菌はなかなかにしたたかで難治です。 外耳道真菌症写真

 ハント症候群
耳たぶや耳の入り口に水泡やかさぶたができて時に痛みを伴う時には注意が必要です。帯状疱疹です。これが顔面神経麻痺やめまい・難聴を起こせばハント症候群と呼びます。麻痺が先で水疱が後の事もあります。この麻痺は難治ですので要注意 耳介帯状疱疹とハント症候群写真1ハント症候群の顔面神経麻痺写真


                                   このページの先頭へ

中耳疾患


 外傷性鼓膜穿孔

外傷性鼓膜穿孔受傷時 写真外傷性鼓膜穿孔1週目 写真外傷性鼓膜穿孔二週目 写真外傷性鼓膜穿孔3週目治癒 写真
 平手打ちで耳を叩かれた時や、ドッジボールのような平面を持つものが耳に当たったとき、豆鉄砲のように、鼓膜に圧力がかかり、鼓膜が破れることがあります。耳閉感の所でも述べましたが、そんなに強い力でなくても密閉してものが耳に当たると鼓膜は簡単に破れます。破れた直後は、耳閉感を初めとする耳の違和感および軽い難聴を覚えます。このような鼓膜穿孔は介達性鼓膜穿孔と言い、急激な圧力が原因です。
 上の一連の写真は受傷から治癒まで一週間ごとにみたものです。これは、平手打ちで鼓膜穿孔が生じたもので、左が受傷直後の鼓膜所見で、鼓膜の前方が破れその他の部分にも内出血がみられます。このような時は、どうするかというと wait and see (見ながら待つ)つまり、耳を清潔に保ち、受傷直後は感染防御のため数日抗生剤を服用してもらいますが、後はじっと自然治癒を待ちます。上の写真は順に一週間後、二週間後、三週間後ですが、三週間で、かさぶたが完全に鼓膜を閉鎖し治癒していることが分かります。この間、耳に水が入らないように注意し、どのくらいのペースで鼓膜穿孔が閉じているのかをみます。だいたい順調に行けば3〜4週間で鼓膜は自然に閉鎖しますが、それでも閉鎖しないときには介入し、鼓膜の辺縁を新鮮にしたりします。診断書を求められれば全治約3〜4週間と記されることが多いようです。喧嘩のようなものでこれを起こせば、立派な傷害罪で刑事罰に処せられますが、家人や知人などが相手の時は、状況によって異なり、虐待などの場合は、診断書を持って訴えれば立派な刑事責任が生じます。たいていは家人かあるいは所属クラブの監督から殴られたとの事で、事を荒立てたくないという方が大多数で、訴えることは少ないようです。
 一方、耳かきで掃除中にこどもが当たってきたりして、耳かきや綿棒が鼓膜に刺さって起こる鼓膜穿孔を直達性鼓膜穿孔と呼び一般に介達性より、重傷の事が多く、汚れたものが鼓膜に刺さった訳ですから、感染を起こし急性中耳炎を発症する事が比較的多くなります。この際は中耳炎をしっかり治し、後は閉鎖を待つだけですが、一般に介達性よりは閉鎖期間が長くなる傾向があります。時にはめまいを起こすこともあり、手術が必要な例も散見されますので、耳掃除をどうしてもしたい人は回りに人がいないことをどうぞご確認を。

 急性中耳炎

ページトップにある正常な鼓膜をご覧の上で以下を見てください。急性中耳炎ではこのようになっていきます。右の写真の様では痛みも強く、聞こえも悪いので、切開排膿が必要でしょう。原因は、風邪で鼻汁が多く、のども炎症を起こしている時など、鼻の奥の上咽頭にある耳管(鼓膜の奥の鼓室と、のどをつなぐ換気のための器官)から、ウィルスや細菌が鼓室に入って炎症を起こします。 急性中耳炎写真1 急性中耳炎写真2


 滲出性中耳炎

鼓室に滲出液が貯留するこどもの難聴の原因となる代表的疾患で、液の性質によって、漿液性(水様)、粘液性、にかわ状の順で聴力が悪くなり、膠になると後ろから呼びかけても返事をしなくなるほど。私は大学ではこの疾患の原因や治療方針の研究に没頭し、当時の海外論文もすべてといっていいほど読破しました。そして開業後の患者さんへの対応から、下記の様な感想を持っています。お断りしておきますが、今や小児滲出性中耳炎ガイドラインが出版されており、これに沿った治療が進められています。以下は私の独断と偏見に満ちているかも知れません。そのつもりでお読みください。
まず、滲出性中耳炎は、年齢的にも、その成因からみてもまた、治療法からみても次の4群に分けられると思います。

第1群@ 0〜3歳時までの滲出性中耳炎
 これは、持って生まれた耳管機能不全(嚥下をしても耳管を開く機能が弱い)上に、風邪などで膿性鼻漏や上咽頭炎を契機に発症したもの。治療法としては、鼻汁を止めたり上咽頭の炎症を治めたりして耳管周囲の環境改善に努める。鼓膜マッサージなどは全く無効とされている。

第2群A 4〜9歳の滲出性中耳炎
 集団生活が当然となり、頻繁に風邪に罹患する。治療としては、ポリツェル通気が可能となる年齢(私は行いませんが)。耳管を開く力も次第に強くなり、少々の鼻汁や上咽頭炎にもまけず、耳管が開大するようになる。この時期も、風邪などで膿性鼻漏や上咽頭炎を契機に発症するが、副鼻腔炎の後鼻漏が絡んでいることが多く、蓄膿症があればまずこの治療を優先する。この時期、鼻汁やのどの炎症が何もないにもかかわらず数ヶ月以上滲出液が抜けない場合は、鼓膜切開や、チューブ留置を考慮する。9歳を上限としたのは、10歳〜12歳まで滲出性中耳炎が続いたら、将来、必ず後遺症が残るのとされているので9歳までに治らなかったらチューブ留置は必須と考える。

第3群  
 急性中耳炎後の滲出性中耳炎(全年齢だが低年齢では必発)。これは、上咽頭の環境も悪いし、耳管も炎症で開大不全が生じるために当然発症する。低年齢ほど発症率が高く、これを契機に数ヶ月に及ぶ滲出性中耳炎に至るケースもある。

 第4群  65歳以上の高齢者(まれに壮年にも見られる)
成因は主として、@とは逆の耳管閉鎖不全(しっかりしまっているはずの耳管の閉鎖力が弱まる)、私が調べた口蓋裂例ではほぼ全例耳管は閉鎖不全でした。老化に伴うオスマン脂肪体(耳管を閉じる働きをする)の減少による閉鎖力の低下等が原因。もう一つ、幼小児期の不十分な滲出性中耳炎治療の結果、乳突蜂巣 の発育がほとんどなく、そのため唯一の換気路である、耳管周囲の環境悪化で発症するもの。 高齢者では大半でチューブ留置が必要になる

以上は、ガイドラインの記述を全く参考にせず、あくまで田坂個人の考えと治療方針ですので、繰り返し申し述べておきます。
滲出性中耳炎写真1滲出性中耳炎写真2滲出性中耳炎写真3癒着性中耳炎写真鼓膜チューブ写真


 慢性中耳炎

鼓膜に慢性的に大中の穿孔が見られる。外耳道が汚染されて頻繁に急性増悪して、耳漏の流出をみたり、鼓室を潤す粘膜からの分泌物で湿潤していることがよくみられます。感染の反復などで、音を感じる聴覚細胞がある蝸牛に炎症が及び、聴力が徐々に低下すると報告されていますので、手術的閉鎖が望ましい。入院期間は最近は短く、一週間程度で済むようです。 慢性中耳炎写真

 
 真珠腫性中耳炎

先天性に生じるものや、鼓膜や鼓室周辺の乳突蜂巣(蜂の巣のような空気の入った部屋)が陰圧になって生じるものが多いようです。慢性中耳炎の一種ですが、図のように真珠の様な上皮の塊が発育して周囲の組織を徐々に破壊していくので、絶対的な手術の適応です。放置すれば顔面神経を侵して顔面神経麻痺や、内耳を侵して激しいめまい、聾に至る難聴、脳に進展して髄膜炎などを生じるので、真珠腫疑いと診断されたら、CTなどで確認して、可及的すみやかに摘出すべき疾患です。 真珠腫性中耳炎写真

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